(注意:まさかの二部構成になった。しかもこの記事だけで3400字ある。浴槽につかりながらでもゆっくり読んでください、もしくは読み飛ばしてください)
目次
皐月賞で頑張りたかった理由は
・確固たる人気馬が不在
・皐月賞自体が荒れやすい
という点にある。
いろいろなファクターから皐月賞を見てみる。
皐月賞は荒れるの?
本当に荒れるの?と言う話だが、過去10年の馬連と三連単の配当をグラフにした物が上図。平均以上に荒れたのは2016~2018で連続して発生している。連続したから高配当のイメージが強いのかもしれない。これを2003年(3連単設立年)まで遡ると、2009~2006で馬連万馬券であり、特に2007年は配当がぶっ飛んでいる。潮の満ち引き的にはまだ低配当かもね(憶測)。
過去の皐月賞について
過去9年の皐月賞のラップタイムを上図に載せる。(10年前は東京開催なので除外)
概ねまとまっているが、
という結果が見える。つまりは馬場が重くならず、ぶっ飛ばす逃げ馬がいなければペース自体は予想しやすい。馬場が重くなってもそれぞれ遅くなる程度で良さそう。
荒れた年のそれぞれの分析をすると
- 2016
1人気サトノダイヤモンド、2人気リオンディーズ、3人気マカヒキ。レースはハイペースで直線一気の8人気ディーマジェスティが勝利。2着も追い込んだマカヒキ、3着サトノダイヤモンド。当時は最強世代ともてはやされたが古馬になってからも戦えたのはサトノダイヤモンドだけだった(戦えてましたか?とか言わない)。
- 2017
1人気ファンディーナ(牝馬)、2人気スワーヴリチャード、3人気カデナ。2人気で7.0倍と混戦模様の中、無傷の3連勝でフラワーCから参戦したファンディーナが2.4倍と抜けた1番人気。上がり3,4,5位が馬券内とポジションを押し上げながら脚を使うロングスパートの勝負に。ちなみに1~9着は重賞馬、かつ5頭はG1馬とハイレベルだった。
- 2018
1人気ワグネリアン、2人気ステルヴィオ、3人気キタノコマンドール。稍重ながら3頭がぶっ飛ばす異様な展開。集団の先頭だった7人気エポカドーロが1着、その後ろにいた9人気サンリヴァルが2着。ぶっ飛ばした内の1頭である8人気ジェネラーレウーノが3着と前目の決着。人気馬は全てポジションが後ろで差し遅れ。ちなみに後に故障する馬が半数くらいいる。
ハイペースになったり、淀みない流れのロングスパートなど前哨戦と比べてタフな流れになると荒れる可能性が高いと見て良いかもしれない。そこで一つ気になるところとしては「弥生賞は皐月賞に結びつかない」といわれている点。実際に弥生賞はスローからの上がり勝負で、皐月賞は淡々としたペースになりやすい。
皐月賞につながる前哨戦は?
前走別の皐月賞の競走成績をJRAのサイトから引っ張ってきた(アーリントンCは以前はもう少し前に開催されていたもの)。ホープフルSからの直行馬はここ二年の勝ち馬とGⅠ昇格年のタイムフライヤー。共同通信杯組の強さが目立つ。
中山2000mでの比較
次に中山2000mのレースを色々比較してみる。averageは前のグラフでも用いた皐月賞の過去9年の平均値。京成杯・弥生賞は明らかにスローからの上がり勝負なので本番への直結度合いは低いと言って良さそう。
過去2年の弥生賞は稍重で行われ、去年はレース自体も稍重だったのに結びつかないのが難しい。レース間隔の問題か?と言われると、例年スプリングSから勝ち馬が出ているだけに否定されてしまう。それでも稍重→稍重はしんどくて力を発揮しきれない、って話はあるかもしれない。
一方ホープフルSの話。2019はコントレイル、2018はサートゥルナーリアが勝っている。この2頭は皐月賞に直行して勝利を挙げている。ホープフルSは2017年からGⅠに昇格した。それまでは阪神JFは桜花賞の予行演習的な部分もあった割に皐月賞ではそういうのが無かった(ホープフルSはあったにはあったがOP競争だった)ため、ホープフルSのGⅡ化、そしてすぐにGⅠへ昇格した。昔は朝日杯が中山1600だったから予行演習的な部分もあったかもしれないが「競争内容の充実」のために阪神開催に移ったらしい、そりゃ中山1600じゃね・・・。
2019・2018のホープフルSのラップタイムに目を向けると 2019のホープフルSは本番とも近いグラフと見えなくもないが、2018は京成杯や弥生賞とさほど変わらない。即ち、GⅠになったからペースラップが厳しくなったりして皐月賞に直結するようになったわけではないというのは言える。
ここまで長々書いた上にそれを読んでもらって申し訳ないが、要するに「ホープフルS・京成杯・弥生賞のいずれも皐月賞とは似づらい」という見方で良いと思う。近二年は強い馬がホープフルSを勝ち、しっかりと調整する時間があったのだろう。
共同通信杯とスプリングS
本番に直結しやすい共同通信杯とスプリングSにおいて、皐月賞で好走馬が出た時を比較してみる。2018スプリングSは2着のエポカドーロ、2016共同通信杯はディーマジェスティ、2015共同通信杯はドゥラメンテ、2015スプリングSはリアルスティール・キタサンブラック。確認しておくべき事項としては「前半がスローかどうか」と「上がり勝負かどうか」の2点。本番に直結してる回は前半がスローになりすぎていない。後半が上がり勝負だったとしても前半からしっかり走っているのでレベルも高く本番に繋がったと見ることができる。今年のスプリングSはその点でスローに見えるが、重馬場で全体的に遅いのでスローではなく、本番に繋がると考えても良さそう。一方今年の共同通信杯はスローからの上がり勝負、本番に直結するタイプの共同通信杯とは異なるのではないか。買うなら共同通信杯で力を出し切れなかったタイプ。
今年の前哨戦
最後のグラフは今年の皐月賞の前哨戦をグラフにした物。皐月賞ほど前半が速いレースは存在しないが、京成杯・ホープフルSは明らかに前半が遅い。きさらぎ賞とスプリングSは、スローからの上がり勝負になっていない淡々としたペースのレースとして見ることができそう。
すみれSは無茶に逃げた馬がいたので前半が速い。勝ち馬のパフォーマンス自体は良い物だが相手のレベルが低そう。
きさらぎ賞は普段は京都1800だが今年は中京2000。右回りから左回り、コーナー2つから4つに変わった。レースの質も変わり、中京は内が荒れていたので今年と繋がる部分が大きそう。番手から進めたラーゴムは右回りが課題と言われているがかなり評価しても良いのでは。ヨーホーレイクも4コーナーから動いて直線で良い脚。荒れた部分を通したわけではないので差しきれないのかと思うところはある。メンバーレベルも多少疑問。
若葉Sは前半が遅く、上がり上位3頭が1,2,3着を占めた。ただ、アドマイヤハダルは抜けた1着なのでそこは評価したい。
まとめ
・ホープフルS・京成杯・弥生賞は同じ中山2000だけれど直結しない
・共同通信杯組は成績が良く、今回もレベルが高かったが内容は微妙
・きさらぎ賞は条件替わりによって魅力的な前哨戦に
・スプリングSは一番直結しそう、ただ雨のレースを続けてやるのがどうか
・若葉S、すみれSはレースレベルにも疑問
という感じになる。
3000字書いておいて何だが続き(全頭解説含)は次の記事で。