北九州記念のボンボヤージを拾えずして何がスプリント好きだ、と言うことで久しぶりにしっかり予想します。
・過去のキーンランドカップ
・最近の札幌1200m
・出走馬の近走
この3点を血統的な観点、ラップタイムの観点の両面からじっくり見ていく。
過去のキーンランドカップ
まずは過去5年のラップタイムから紐解く。
20年は重馬場。19年、18年は稍重馬場で施行された。20年は雨が降り続いていてハッキリ重馬場だったが、他は良と稍重で大きな差は無かった。ラップタイム的にも差は無い。
17~19年はナックビーナスという快速の逃げ馬が出走し前傾2秒程度のハイペースを作っていた。昨年はレイハリアが逃げ、前傾1.1秒のハイペースとなり多少追走は容易になった一方上がりは速くなった。
過去5年の間にナックビーナス、ダノンスマッシュ、エイティーンガールが複数回馬券内に絡んでおり、リピーターレースでもある。この3頭は逃げ馬、先行馬、追込馬であり、血統的な共通点もないのは面白いポイントかもしれない。(困るんだけど)
最近の札幌1200m
血統的な話を主にしてみる。
ここ2週間の札幌芝1200mの馬券内に来た馬を表にしてまとめてみる。
ハイライトは青色がディープインパクト系、オレンジ色がその他のサンデーサイレンス系、赤色がHaloを持つ馬、緑色がBlushing Groomを持つ馬とした。この4パターンで過去5走の馬券内に来た馬全てを網羅することが出来る。サンデーサイレンスを持つ馬で括ると網羅できるのは当たり前のように見えて、スプリントではサンデー系が嫌われる所もあるのでこの方法を採用した。
Blushing Groomの父Red GodはHaloと相似血統であるため、これらのハイライトが重なるとHaloのニアリークロスないしHaloのクロスが存在する事になる。
また、ロードマックスの母父Dubawiとバンデルオーラの母母父ベリファはLyphrdを持ち、これらはディープインパクトの母父Alzaoにも含まれるためクロスが生まれる。
以上の事から、ここ最近の札幌芝1200ではHaloの(ニアリー)クロスが特に求められ、付随してLypardのクロスや、単体でもBlashing Groom(Red God)が必要とされている。
ちなみに上記で触れたナックビーナスはHaloのクロスを持っている。
過去のまとめ
ここ最近の札幌芝1200の血統を過去のキーンランドC好走馬と見比べると、意外と適応している部分も多い(19年リナーテなど)。加えて、G1で3着以内のある馬を除外し、それでも拾えない馬を列挙してみると
レイハリア
エイティーンガール
ダノンスマッシュ
ディメンシオン
ペイシャフェリシタ
エポワス
(過去5年分)
この中で洋芝1200mで2着以上の成績がない馬は
レイハリア
エイティーンガール
ディメンシオン
の3頭。
エイティーンガール(1回目)とディメンシオンは重馬場での好走だったことを考えれば例外になるのも頷ける。レイハリアは3歳牝馬での勝ちだった。
以上の事から5年分は全ての馬がなんとなく理由がつけられた。
・Haloのニアリークロスを持つ
・2歳G1or1200G1で好走歴がある
・洋芝1200で連帯経験がある
・3歳牝馬である
ちなみに過去好走した3歳牡馬は洋芝1200の連帯経験があった。
出走馬の近走
出走馬の近走を参考レースとして、短評をまとめてみる。
参考レースのラップタイムをグラフにした。averageはキーンランドCの過去5年のうち、重馬場の2020年を除いたものを使用している。
北九州短距離S
馬場の傷みに加え稍重と言うこともあり、先行馬が4コーナーから内を開ける展開。結果として前の馬が多く残った。
3着 マイネルジェロディ
内枠で好スタートを決め5番手くらいの位置取り。馬群が外にふくれる中でスムーズに持ち出せず、直線も一息の伸びだった。
4着 ヴェントヴォーチェ
五分の発馬からマイネルジェロディの後ろにつけた。ふらふらしていて追い出すのに時間がかかった。軽い馬場の方が力は出せそう。
5着ビリーバー
五分の発馬から下げて後ろから3頭目に。前の馬が外を回していく中で内をつき、8番手くらいまで浮上。最後に脚が足りなくなり3,4着馬に交わされた。
13着メイショウミモザ
スタートでアオり、その後も出していったが追走には苦労していた。4コーナーで大外を回り直線に出たが、内の馬に寄られたり馬場も合わない走りだった。距離は1200よりは長い方が良い。
葵S
高速馬場だったが最内は荒れだしていて、3~5頭目くらいが有利な位置だった。逃げ切りを計った各馬は直線で失速。少し控えていた馬たちの末脚が活きる展開だった。
1着 ウインマーベル
五分のスタートを決め、速い馬に前を譲り7番手くらいの位置取り。直線で前が止まったところを馬場の良いところを通って差しきった。展開やバイアスがハマっていた印象はある。
福島TVOP
メンバーレベルは1200のOPの中でも低い方。内の馬場が荒れていて4コーナーから膨らんで競馬をする形。1着馬こそ内先行馬だったが、2,3着馬は大外一気の馬だった。
1着 オパールシャルム
二の足が速く2番手の位置から進めた。逃げた馬は直線で内に行ったがこの馬は真ん中寄りの進路へ。ハイペースでもなかったため、押し切れた。
5着 サヴォワールエメ
スタートでこの馬にしては後手を踏み、中団での競馬。馬場の悪いところを避けて通れたが、中団からの末脚は無く伸びきれなかった。
函館SS
速い逃げ馬が飛ばしたことで前半は32.7とハイペースだった。その中でも斤量の軽い3歳牝馬のナムラクレアが先行から押し切った。ハイペースに耐性のない先行馬はふるい落とされ、そこには後方の差し馬が入った。
2着 ジュピリーヘッド
五分のスタートから出していって5,6番手の位置。先行馬が止まる中で一歩後ろに居たおかげが直線で脚を使うことができ、先行馬を抜くことが出来た。
4着 レイハリア
大外枠から速い逃げ馬の次につけた。ハイペースで前が潰れる展開だったが、この馬は4コーナーから主張し始め、直線も粘ったが4着だった。良い馬場で楽に運べれば良化は望めそう。
7着 ヴェントヴォーチェ
スタートは立ち後れ後方から。直線では伸びている方だが末脚特化のタイプではなく伸びたら無かった。クラスへの慣れが必要そうな結果に。
10着 シゲルピンクルビー
スタートを決め3番手でレースを進めた。しかしハイペースだったため直線では早めに失速。スピード耐性がないため、前々で運ぶのはキツそう。
青函S
函館SSと同じコースだが、ペースは函館SSより前半3Fが1.2秒も遅く進んだ。落馬の影響もあり外差しは届かず、前々の決着となった。
1着 ヴァトレニ
スタートを決めて2番手へ、そのまま押し切った。ペースが緩かったため、速いペースで先行されたときの課題は残った。
2着 ジュビリーヘッド
五分のスタートで6番手の位置に。4コーナーから押し上げていき、落馬の影響を受けることはなかったが、直線の段階で1着馬とは開きがあった。函館では無難に走れている。
3着 マイネルジェロディ
スタートは多少アオったがジュビリーヘッドの後ろにつけられた。そのままジュビリーヘッドの後ろを走り続け3着入線。
UHB賞
Bコース最終日と言うこともあり、差しも届くようになった馬場だった。ペース自体はスローで前有利だった。
1着 ロードマックス
短い距離で末脚を使ってきた馬で、初の1200m戦だったが差しきった。スタートは良いが下げて中団へ。コーナーが大きい札幌でもコーナリングが不器用で直線だけでなんとかした感じ。馬場バイアスの恩恵はあったか。
3着 サヴォワールエメ
二の足がつき二番手へ。先行馬有利のペースを前々で上手く運んだが逃げ馬を交わすことは出来なかった。
6着 マイネルジェロディ
内枠からスムーズに運んだが直線で伸びることが出来なかった。前がもっと止まらないと厳しいか。
参考レースの総評
直近のOPクラスのレースでは抜けて強いパフォーマンスをした馬は特に居なかった。今回のキーンランドCでペースがOPのそれよりも速くなる場合、脆さを露呈する馬が多くなることが想像できる。
出走馬の評価
改めてキーンランドCの好走条件を出してみると
・Haloのニアリークロスを持つ
・2歳G1or1200G1で好走歴がある
・洋芝1200で連帯経験がある
・3歳牝馬である
いずれの条件も満たさない馬は
・ジェネラーレウーノ(皐月賞3着はあるが)
・ウインマーベル(3歳牡馬)
・シゲルピンクルビー
・トウシンマカオ(3歳牡馬)
3歳牡馬はさておき、他の2頭は消してみて良いかもしれない。
ただ、G1好走歴がある馬が少なく、洋芝連帯経験がある馬が多いのは今年のメンバーレベルの引くさを物語っているかもしれない。
ラップタイムの部分で追記をすると、土曜に行われたWASJ第1戦では前半はそこまで速くないペースだったものの、後半は大きく時計がかかり差し決着となっていた。今回のレースも先行馬が多いとは言え強いレースをした先行馬が少ないため、差し馬を多く採用したい。
差し馬で候補になるのはロードマックスとエイティーンガール。
札幌1200で差しきって馬券になっている2頭。ロードマックスは気性が難しく、テン乗りの外国人騎手という難しさ。エイティーンガールは去年まではここが目標だったのに対し、今回は次走が目標という変化はある。
先行馬で強さを見せていた馬はオパールシャルムとレイハリア。
オパールシャルムは差し馬が届いたレースで逃げ切った。血統もナックビーナスに近く、一応未勝利時に洋芝1200で勝っている・
レイハリアは去年の勝ち馬。前走は外枠から果敢に先行し4着。また外枠が苦しそうだが、多少なりとも控えて競馬が出来れば、むしろ外枠はプラスになる馬場。
また、次の3頭は悩むところ。
1頭目はビリーバー。
一昨年6着で今年は前走で初の重賞勝ちを収めている。今回は最内枠が災いしそうで外に出せるかどうかになるが、サマースプリントチャンピオンが見えているだけにどうか。
2頭目はマウンテンムスメ。
時計のかかる芝に強いアドマイヤムーン産駒だが、1,2番手でしかレースの経験が無い。haloのクロスを持ち、最近の傾向には合うが前残りに期待するにしても他の馬の方が上か。
3頭目はジュビリーヘッド。
ここ2戦洋芝で2着を続けている。2戦とも決め手に欠く印象でプラス要素に乏しいが、実は差しが効く馬である、とか、函館より札幌向きだった可能性が残っている。
3歳馬2頭に関して、ウインマーベルはスピードの出る芝で走るほうが結果を残せそうなタイプに見える。スプリントの松山も信用できない。トウシンマカオは過去に良績がないタイプの馬。阪神や中山の方がまずは良さそうにも見え、先行馬でこの人気なら保留しておきたい。
以上より
◎ロードマックス
○エイティーンガール
▲オパールシャルム
△レイハリア
(ビリーバー、マウンテンムスメ、ジュビリーヘッド)
4頭を中心に勝負してみる。ロードマックスのギャンブル感がすごい。