過去10年で7回雨の影響が残る中で行われた高松宮記念。今週末そのレースが行われるわけだが、見に行こうとしている。7回あることは8回ある方が当然で、今週末も雨予報。ポンチョでは寒いだろうか、カッパが必要になるだろうか、それならカバンは少し大きめか。そんな荷造りの心配もあるが、馬場が渋ればレースも難しくなる。予想の心配もしよう。
血統
雨が得意な血統・不得意な血統
種牡馬 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 勝率/雨 | 連対率/雨 | 複勝率/雨 |
ビッグアーサー | 21.00% | 32.10% | 42.00% | 28.60% | 52.40% | 66.70% |
ダイワメジャー | 6.00% | 12.00% | 16.50% | 2.90% | 13.20% | 16.20% |
ミッキーアイル | 14.30% | 22.90% | 31.40% | 9.50% | 19.00% | 23.80% |
スクリーンヒーロー | 11.70% | 13.00% | 24.70% | 9.10% | 9.10% | 22.70% |
モーリス | 8.20% | 16.50% | 21.60% | 4.50% | 4.50% | 13.60% |
Dark Angel | 26.70% | 36.70% | 40.00% | 12.50% | 37.50% | 37.50% |
リアルインパクト | 7.30% | 19.50% | 22.00% | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
レッドスパーダ | 10.70% | 21.40% | 21.40% | 0.00% | 20.00% | 20.00% |
アイルハヴアナザー | 15.80% | 31.60% | 31.60% | 20.00% | 20.00% | 20.00% |
ハーツクライ | 5.10% | 6.80% | 18.60% | 0.00% | 6.30% | 18.80% |
ドゥラメンテ | 7.40% | 25.90% | 25.90% | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
クロフネ | 6.70% | 20.00% | 20.00% | 0.00% | 25.00% | 25.00% |
Point of Entry | 0.00% | 50.00% | 50.00% | 0.00% | 50.00% | 50.00% |
今回出走する各馬の種牡馬別成績(過去3年分・2勝クラス以上)。全データと稍重・重・不良の雨馬場との比較を示した。オレンジ色の背景が雨によって成績が向上したもの。全体的に成績は低下する一方で、もともと上位の成績を残していたビッグアーサー産駒は成績を伸ばす形に。特にミッキーアイル・リアルインパクトの産駒はかなり数字を落としており、気になるところ。
中京1200mの血統
種牡馬 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
ダイワメジャー | 9.30% | 20.90% | 23.30% |
ビッグアーサー | 16.70% | 27.80% | 33.30% |
ミッキーアイル | 25.00% | 33.30% | 33.30% |
Dark Angel | 33.30% | 33.30% | 50.00% |
モーリス | 4.00% | 16.00% | 16.00% |
スクリーンヒーロー | 10.00% | 20.00% | 30.00% |
アイルハヴアナザー | 20.00% | 40.00% | 40.00% |
クロフネ | 9.10% | 9.10% | 18.20% |
リアルインパクト | 0.00% | 14.30% | 14.30% |
Point of Entry | 0.00% | 50.00% | 50.00% |
ハーツクライ | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
ドゥラメンテ | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
レッドスパーダ | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
次に中京1200mの血統傾向を見る(今回出走馬の種牡馬・1勝クラス以上)。
ミッキーアイル産駒の勝ちは今回出走する2頭のみ、DarkAngel産駒の勝利も今回出走するマッドクールのみである、アイルハヴアナザーも同様。PointofEntryに至ってはロータスランドしか出走していない。
やはりビッグアーサーの数字がハッキリと良い。一方でドゥラメンテは様々な馬が出走しているが、最高でも葵Sで4着があった程度。ハーツクライも条件線での4着まで。スプリント血統が順当に強く、中長距離の血統は厳しくなる。
過去10年の傾向では
をもつ馬の成績が良い。心にバクシンを。
ここ4年は毎年ロードカナロア産駒が3着以内に来ていたが今年はそもそも出走がない。
ラップタイム分析
このブログ名物の過去のラップタイムとその平均のグラフ。この5年間の馬場は以下の通り。
- 2023:不良
- 2022:重
- 2021:重
- 2020:重
- 2019:良
昨年はどの区間においても特に遅かった。他の重馬場の年では2022年では良馬場と前半のペースが同程度になったが、反動で後半は上がりのかかる結果となり、差し馬が台頭した。2020年は前半が重馬場の中ではスローになったため、逃げ馬が逃げ残る結果になった。
過去5年の高松宮記念は同じ重馬場と言ってもパターン化が難しく、ラップタイムと直接結びつけるのも難しい。
前3F | 後3F | |
2023 | 35.6 | 35.9 |
2022 | 33.4 | 34.9 |
2021 | 34.1 | 35.1 |
2020 | 34.2 | 34.5 |
2019 | 33.2 | 34.1 |
average | 34.1 | 34.9 |
参考までに前半3F(600m)と後半3Fのラップタイムはこちら。
参考レースはオーシャンSが稍重で他は全て良馬場だった。そのためほぼ全てのグラフがaverageのラインより下側に来るはずだが、オーシャンSは上がりがかなりかかったように捉えられる。京阪杯とシルクロードSは同じ京都競馬場で行われたが、質感は少し異なる。京都競馬場は前半が他の競馬場と比べても遅くなりやすく、京阪杯のように2F目が遅く出やすい。京阪杯はそこからペースが緩むことがなかった一方で、シルクロードSはその競馬場で前半が速くなったために負荷が強く、後半は上がりがかかった。
averageとスプリンターズSはどちらもG1で上がりがかかりやすい共通点が見える。どちらも前半からがっつりと飛ばして入る展開になるためか、後半がタフになって上がりがかかるのだろうか。順当に今回も前半が速くなるのなら、後半がタフになりそうで、シルクロードSは近い傾向と言えるかもしれない。
全頭考察
1.ビッグシーザー
ビッグアーサー産駒で母系はStormCat系と血統は今回のメンバーでは一番。前走は挟まれながらも追い込んで来た。今回の乗り替わりは可も不可もない感じ。人気があまりにもないので抑えるべき1頭。
2.マッドクール
昨年のスプリンターズステークス2着馬。今回と同じ舞台の知立Sで強い勝ち方をして以来追いかけている。重馬場で勝った実績もあり、中京は3勝と得意。昨年夏のCBC賞で負けてるのは気がかりだが夏負けだったと信じて今回は期待。
3.ナムラクレア
昨年の2着馬。重馬場適性は問題ない。前走は1400mだったがかなり後方の追走だった。調教パターンを変えている事もありどんどんズブくなってるのかも。枠や馬場に問題はないが…。
4.モズメイメイ
葵S勝った後は2桁着順が続く。どうにもやる気がなくなっている走りが多く、牝馬のスプリンターにありがちな状況。今一番乗れてる騎手だがさすがに。
5.トウシンマカオ
重賞連勝中。昨年は馬場・枠・左回りと泣いたが今年は枠以外は同じ。札幌の重で3着はあるし、血統的にも馬場はこなせる範囲なはず。過去2戦は外に出してのレースだっただけに、内枠で苦手かもしれない左回りでルメールがどうするか。
6.ルガル
前述した相性の良さそうなシルクロードSの勝ち馬。ただし相性の悪いドゥラメンテ産駒。雨は降るだけ降ってくれた方がいいだろう。前走は速いペースを前で追走しながら直線外に出して押し切る強い競馬。鞍上のG1経験も微妙だが、外すことはできない。
7.テイエムスパーダ
おそらくどんな形でも逃げる馬。前走は速いペースを作って沈んでいったが、休み明けはどうにもスタートが悪い。今回は他にもスタート速い馬がいるが、こちらは逃げる一手。馬場が味方になればあるいは…。
8.ソーダズリング
京都牝馬は中断追走から差し切る王道の競馬。初の1200mになるが、兄弟も1800m以上の活躍が多く、流石に1200m向きとは言えない。
9.シャンパンカラー
去年は稍重のNHKマイルを勝ったが、安田記念は敷居が高く、フェブラリーSは初ダートでは厳しかった。今回は初のスプリントで、母系はスプリントに向きそうだがドゥラメンテ産駒。NHKマイルの時と同じくらい信用していいかわからないが、調教は動いてるらしいので期待はしてもいいかも。良くも悪くもずっと穴馬。
10.ビクターザウィナー
ロケットスタートをし続ける香港馬。スタートを決めても2番手でレースする事もあり、今回はスパーダに譲りそう。血統構成は重も行けそうくらい。初の左回りや輸送の難しさはあるが、殴り込んでくるだけの能力はある。この馬に何頭の日本馬が勝てるか。
11.メイケイエール
今回が引退レースのアイドルホース。高松宮記念は2年連続馬場に流されているが今年もそうなりそう。昨年のスプリンターズS5着を見ても速い馬場で速いペースを追いかける方が強い。馬場は回復してくれた方がいいが、良馬場ではサンデーサイレンス系は勝ったことがないジレンマ。無事に引退を迎えてほしい。
12.ロータスランド
こちらもラストラン。一昨年の3着馬。こちらは重くなればなるほどいい。ここ最近馬券になった時は乾坤一擲の最内追い込み。もともとは先行できる馬だったはずだが…。ここも一発狙いに徹するだろうが、最内だけ良い状態でそこが空いていたら‥と言うような都合のいい展開が来るかどうか。
13.ウインカーネリアン
左回りのマイルで良績の多いベテラン。逃げることが多いが2番手でも良い。重馬場は行けそうな血統だが、蹄の作りから陣営は綺麗な馬場を希望している。そこまで合わないとは感じないが外枠。馬場は雨の影響がなく内側の馬場がボロボロで外有利、と言った特殊な状況が欲しい…。
14.ママコチャ
昨年の最優秀スプリンター。陣営が叩き良化型と言っているが今年の初戦がここ。速いペースを前で追いかけるのが強いタイプのガチムチ。馬場も悪化しすぎると厳しいが、内が有利な時に外から逆転できるほどかと言われると…?
15.ディヴィーナ
この馬も引退レースで初のスプリント。中京は4-2-0-1と相性がいいが、その1で買った事がある、許せん。1200も悪くはなさそうだが、経験が欲しかった。雨は降って欲しい。
16.ウインマーベル
阪神1400の重賞を連勝してここ。阪神1400と中京1200はリンクする傾向にあるが、去年は大外枠から大敗した。前走は重馬場で勝ったが本質的には良馬場の方が良い馬。今回もせめて内枠なら。
17.マテンロウオリオン
ダイワメジャー産駒で母父キングカメハメハはいかにも重馬場が得意。と思っていたが前走のオーシャンSは初のスプリントも影響したか見せ場なく敗戦。ダイワメジャーだし差しにこだわるよりは前を追いかけたいが、経験的にそういう追走は難しそう。
18.シュバルツカイザー
DarkAngel産駒で重馬場は得意そうなタイプ。なのだが、前走のオーシャンSは見せ場なく敗戦。そもそも中山が合っていない気はするが。外に馬を置かなければ好走できるので、大外枠はプラス。大外枠でも勝負になりそうな内枠が崩壊して雨の残る展開になって欲しい。
総括
◎ビクターザウィナー
○ビッグシーザー
▲マッドクール
△トウシンマカオ
はほぼ確定。ルガルも買いたい。
あとは馬場次第だが
・テイエムスパーダ
・シャンパンカラー
・シュバルツカイザー
あたりの穴馬に食指を伸ばしたい。
追記
中京競馬場にいるGeorgeです。
雨が降ったり止んだりでとても寒いです。
芝レースでは2桁の馬番の馬が一頭も馬券に絡んでいない=内枠の馬有利の状況が出来上がってます。
◎マッドクール
○ビックシーザー
▲ビクターザウィナー
△ルガル
△トウシンマカオ
☆テイエムスパーダって感じにします