今週末のシルクロードSやそれ以降のレースに向けて、中京1200mの取扱説明書を記事として残す。
中京芝1200mはスタートして緩やかに上り、直線に入るまで下り坂が続く。直線は412mと1200mのコースの中では最も長い。
次2020年に中京芝1200mで行われた古馬の準OP以上(3勝クラス・OP・重賞)のレースの中で、良馬場開催されたもののラップタイムをグラフ化した。中京1200という括りではレースによってラップタイムがばらけていることが見て取れる。averageから見ると600~800で一回ラップが緩み、800~1000で早くなり、1000~1200で遅くなるイメージと捉えるのが通常そうだ。次に他の競馬場との比較をするために、averageを1200の競馬場で比較したものを次に載せる。
次に2のFigureでは全ての競馬場の1200mのラップタイムを平均して載せている。なお、良馬場のレースだけに限っており、札幌・函館・福島・小倉は2019と2020の準OP以上のレースとしている。また、東京は1200mの設定がない、新潟は2勝クラスまでしかないので省いている。
このFigureの説明に入るが、京都・小倉は特殊なコースといえるが、中京はグラフの中に埋もれているが、最後の2Fのペースがなかなか落ちないのが特徴と言える。この2Fが遅くなったのは1枚目を見ると長篠SとセントウルSだが、この2つは夏の終わりの開催だった。それを差し引くとかなり淡々としたペースになることが想像できる。
余談だが(めちゃくちゃ重要な話)、シルクロードS開催前週は雨による不良馬場で開催された。1200mは行われなかったが、1400m戦ではラスト2Fが前のレースに比べて大きく時計がかかっていた。
3つ目のFigureは全競馬場の前後半のラップタイム差(前半-後半)について。前半の方が早いので全てマイナスの値になっており、縦軸が反転していることに注意。前後半のラップタイム差は京都・阪神に次ぐ3番目に小さく、阪神とはほぼ同等。コーナーがずっと下りで直線に坂があることを考えると中京はかなり阪神っぽいと言って良いかもしれない。コーナーの角度や直線の長さを考えると、ゆったりとした阪神というとらえ方をしよう。阪神的なラップタイムになる以上基本的には先行有利。ただ、前半3Fが遅くなった豊明Sはインコースがごちゃついて外差しになったりしている。
次に血統の話。具体的な統計は取っていないが、Figure.1に載せたレースでは豊明Sを除く全てのレースでロードカナロア産駒が連対 (!)している(豊明Sはロードカナロア産駒の出走が無いので実質全レース)。何なら2歳戦だからといってグラフでは省いた中京2歳ステークスでも絡んでいる。他にはロードカナロアから幅を広げたキングマンボ系、サンデーサイレンス系もよく馬券に絡んでいるのが特徴。特に、サンデーサイレンスの直系は他のコースのスプリント戦では基本的に馬券に絡めないため、中京は特殊と言える。直線が長いためサンデーサイレンスっぽい素早さが活きる走り方が出来るのかもしれない。逆に、他のコースで良いイメージなのにあまり馬券に絡まないのはStormCat系。単純に出走回数が少ないのかもしれないが。
最後に走破時計の話。
Figure.2でのグラフの数値を足し合わせた合計タイム(=1200m走りきるタイム)で、中京は小倉に次ぐ2番目の速さである。Figure.1のレースは新春S(68.7s)を除いて全てが67秒台~68秒台前半でのレースとなっている。重馬場の高松宮記念ですら68.7sなので相当早い時計が出るコースだと考えられる。持ち時計が遅い馬は割引したい。
中京芝1200mの特徴をまとめると
・最後の2Fのペースがなかなか落ちず淡々としたペースになる
・前後半のラップタイム的には阪神と似た傾向
・基本は内先行有利
・ロードカナロア産駒がバリ強い
・サンデーサイレンス系は他のコースに比べてよく走る
・持ち時計のない馬には厳しい
この傾向基に予想してみたらいかがでしょうか?