ファストフォースの歓喜から早一ヶ月。
小倉1200mはまたやってきた。
というわけで北九州記念の予想。CBC賞は超高速馬場でレコードが出るような状態だったが、北九州記念は今のところ例年通りの馬場状態が見込まれそう。つまり難しい。
スプリントマスターとしては俄然やる気が出る状況。負けるわけに行かない。
ちなみに昨年は単勝14.9倍、一昨年はワイド18.1倍、その前はワイド14.3倍を取っている。意外と強い私。
小倉についての取説はこちら→
血統の話については大体こっちに書いてある (デインヒルがすごいと言う話)。
北九州記念になるとサクラバクシンオーを持った馬が相当走っているのも注目のポイント。逆にデインヒルは目立たないがそもそも出走が少ないのか・・・。
まず過去10年の北九州記念のラップタイムが図1。
2014,2016のように前半3Fがそこまで速くならないと先行馬が残っている。2017と2019も全体からは外れた推移をしているが、2017は前残り、2019は差し決着と質が違う。2017は5F 目で速くなるあたり先行馬が余力残し、2019は5F 目で遅くなっているので先行馬は出し切っている状態で差しきられている。つまりは先行馬が余力を残せる馬場かどうか。
簡単に重要なポイントをまとめると
①速いペースになるかどうか
②前後半にラップ差があるかどうか
①,②の条件が揃えば差し決着になるし、そうでなければ前が残る傾向にあると行って良さそう。
ここで1つ気にするべき事がある。そう、モズスーパーフレア。
モズスーパーフレアが出走したレースのラップタイムを載せる(2019スプリンターズS~2020北九州記念)。モズは中山を一番得意にしているが中山もレース開始後下り坂でスピードがとても出しやすい競馬場。北九州記念でも飛ばしているが、京都だとスピードが出せていない分、競馬場の形態に合ったスピードを出すタイプと言える。今回も相当吹っ飛ばすだろう。
展開から予想をしていく。
モズスーパーフレアがとにかく吹っ飛ばすが、これにファストフォースがどこまで食らいつけるのか。去年の北九州記念が前半3F32.4(稍重)、今年のCBC賞が32.3、この2つを比べるとモズスーパーフレアがまずもって速い。モズ自身も逃げられないと勝負にならないのでモズが逃げ、ファストフォースが追いかける…という状態になる。
モズスーパーフレアとファストフォースについて行ける馬はそういないが、ついて行くしかないので決め手のある馬でなければついていくことになる。だが、モズスーパーフレアはなし崩し的に後続に脚を使わせる競馬をする。そのため、ピッチを上げてついて行く馬は最後差し返す程の余力は残らない(上の過去記事も参照)。ダイワメジャー産駒ならついて行くことは出来るだろうが、そこから盛り返すのは難しいし、他のサンデー系の馬はそもそもついて行く事がしんどい。ついていってどうにかなるのはヨカヨカやジャンダルムくらいか。
外差しが決まりやすいトラックバイアスの中、外差しに行けそうな馬はノーワン、シゲルピンクルビー、メイショウカリン、アウィルアウェイ、アスコルターレ。アウィルアウェイが筆頭だが、松山は差し遅れる傾向にある。ノーワンは近走で良い時もあるが掲示板止まりだし内枠。メイショウカリンはデインヒル持ちで51kgと魅力的だが年齢は気がかり、7歳は1勝19敗。
そう考えるとシゲルピンクルビー、アスコルターレの3歳勢は注目しても良い。どちらも時計がかかることが前提になりそうだが、シゲルピンクルビーは北九州記念で活躍する牝馬、アスコルターレは腹を据えて差しに来れる藤岡康でデインヒル持ち。どちらも1400~1600位なイメージはあるので本命には出来ないが、ワイドのヒモには面白いかも。
というわけで全頭の評価をしていく。
1、ボンセルヴィーソ
マイルの先行でしぶとい競馬をする馬。1200は久々だが、特に行ける見込みはない。
2,エングレーバー
オルフェーヴル産駒なので気性的に短いところを使われていそう。1200で先行できるほどスピードもないのでついていくのがやっとだろう。小倉が良い様子もない。
3,コンパウンダー
小倉と京都で差しきっており展開次第で差しきれる馬。前が崩れたり、時計がかからないと厳しいと陣営はコメントしているが、雨さえ降ればアドマイヤムーン産駒なので期待して良い。
4,ノーワン
近走は掲示板がやっとだが、掲示板には乗れる末脚は持っている。血統的には全くスプリンターではないので、純粋なスプリンター能力が求められるような小倉では厳しい気がする。デキは良くなっているらしいが。
5,ロジクライ
1600の重賞勝ち馬で1400でも3着2回。1200ではやはり良いところがないし、血統的にももう少し長い方が良い、と言うか8歳。
6,ファストフォース
母がサクラバクシンオー×デインヒルで小倉を走るためのような血統。CBC賞は斤量に恵まれた部分が相当大きく、55kgでどこまで粘れるかは疑問。位置が取れれば直線でコースを選びやすいのでそこは有利。モズに逆転できるかどうかは未知数。
7,ジャンダルム
スプリントに転向して一気に見せ場を作っている。というのも母はスプリンターズS勝ち馬。時計が極端に速いレースは父系的にも苦手だろうが、時計のかかる馬場や荒れた馬場には強い。福永はスプリントが上手いとは思わないが上手く乗ってくれる。軸候補。
8,メイショウケイメイ
母父デュランダルが気性に問題をきたしているのか短距離で使われるが、ワークフォース産駒だしかみ合っていない。大きな条件代わりが欲しい(というか障害いかが?)
9,シゲルピンクルビー
モーリス産駒はスプリントもう少し走れて良いとは思っている、と言ったらピクシーナイトがCBC賞で2着に滑り込んでいる。この馬ももう少し頑張って欲しいが函館SSは案外。和田さんに戻るので善戦に期待したい。
10,メイショウカリン
展開がハマりそうな差し馬と言うだけで魅力はある。実際、小倉の差し決着を制してOP入りしている。夏の軽ハンデの酒井なので抑えるべきではある。
11,アウィルアウェイ
差し展開でだけ割り込んでくる馬だが、CBC賞の3着は強かった。ジャスタウェイ産駒は5歳くらいで本格化する傾向にありそうなので展開だけでなんとかする馬ではなくなったのかもしれない。とはいえ松山はスプリントが上手くないので・・・。軸にするのも良いと思う。
12,モズスーパーフレア
要はこの馬を何頭が交わせるのか、ということになる。北九州記念でなんやかんや残るのは相当強いので今年も期待したいが、内がどこまで傷んでいるか。この馬も松若も内ラチに拘るので内の傷み具合によるが、皆避けて通っているなぁ・・・。
13,ファンタジステラ
OP入りして初戦だが特に良いところが見つからないのでまずはクラスに慣れるところからだろう。
14,レッドアンシェル
斤量は58kgと重いし、今年乗れていない武豊。そもそもこの血統でスプリント走っているのがおかしいところもある。ただ、雨が降ったら一考。
15,メイショウキョウジ
スプリント戦はOPでも苦戦しているときが多いが、小倉では好走していたりする。昨年の北九州記念はリズムが悪いな、と思ったら藤岡康太、あれ?54kgは結構微妙なライン、1kg多く貰ってしまったという印象。
16、アスコルターレ
葵Sでは良い脚を使っていたが展開にも合っていないし始動が遅かった(松山だし)。
福島TVOPは先行してみたが差しの展開だったし直線は不利を受けた。スプリント血統ではないが、展開一つではある。
17,ヨカヨカ
CBC賞はデインヒル持ちと言うこともあり期待したが案外。時計の速いレースは厳しいのだろう。今回も外枠からしぶとく先行してどこまで、と言う形になる。葵Sなんかを見てると意外と差しにも回れるので、無理に先行しない方が良さそう。期待はしたい。
18、ボンボヤージ
兄のファンタジストは小倉2歳の勝ち馬。北九州記念では出遅れで上手く行かなかったが。小倉自体はデインヒル持ちと言うこともあり悪くない。若手騎手の重賞初制覇はハンデ戦か世代限定戦が多いので岩田息子にも期待したいところではあるが、ある程度ポジションを下げた方が良い。それがどこまで出来るかどうか。
以上の総評からおすすめしたい馬は
ジャンダルムとアウィルアウェイは額面通りに走ってくれそうな期待感がある。力は相当あると思うので軸候補。ただハンデは結構貰っている感じもする。
8枠三頭はその次点の候補、ただ、ヨカヨカだけならまだしもボンボヤージも人気している。
メイショウカリン、メイショウキョウジはどちらも穴として魅力。特にカリンは相当期待したい。
モズスーパーフレアとファストフォースで買うとしたらモズだけにしたい。ファストフォースは前走がいかにもハマり過ぎている。モズは来ないとしたら一昨年のような差し決着になることは把握しておきたい。
以上からこの記事を書いている時点での印は
◎ヨカヨカ
○アウィルアウェイ
▲ジャンダルム
☆メイショウカリン
△アスコルターレ
にしたい、点数を増やすのも得策でない気がするので、基本は本命サイドの決着、ヒモに面白そうな所をピックアップしておく。