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札幌芝1200mの覚書。

覚書シリーズ第3弾。中京、中山ときて次が札幌になると思ってませんでした、今年の夏競馬の開幕は札幌なんですね・・・。

 

 

 

・コース形態

札幌のコースマップをJRAから拝借してきた。大きな起伏はなく平坦なコースではあるが、向こう正面は上り坂なのでペースは底まで上がらない。コーナーは大きく、コーナーの距離が長く、その分直線が短くなる。

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1.札幌のコースマップ(JRA公式より)

 前半が若干の上りでペースが緩くなるが、直線が短いことを考えるとハイペースで先行馬が潰れて直線で差される展開は考えづらい。先行馬が特に有利な競馬場と考えて良さそう。

 また、4コーナーで広がるようなコース形態のため、インで詰まると言うことは少なく、中団の差し馬でも直線でコースは空くことが多い(函館は思いっきり詰まることがある)。

 

例年、北海道の開催は一月くらいなのでレース数が少なく、札幌のOPクラスの1200mは3走、3勝クラス含めても1走増える程度なのでサンプルに乏しい。しかも3勝クラスのレースは去年初めて行われ、OP競争のレースはすずらん賞(2歳)、UHB賞(OP)、キーンランドC(G3)の3レースだが、キーンランドCはここ3年稍重でデータとして扱いにくい。

そのため、2勝クラスまで広げて去年1年の芝1200mを参考にして紐解くことにする。

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2.2020年に行われた古馬2勝クラス以上のレースラップタイム(良馬場)

去年行われた芝1200mのラップタイムをグラフにしたもの。摩周湖特別とHBC賞は緩い流れなのでスプリントらしくない。1000m地点でどのレースでもペースが上がるのが特徴的で、4コーナーにかけてペースが上がることが推測される。直線が短いからこそ早めに動かなければなるのだろう。

 

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3.競馬場毎の1200mラップ比較

各競馬場の1200mラップを出して比較してみる。上の結果から摩周湖特別とHBC賞を除いてグラフを作ってみた。札幌は青線。

前半はやはり遅めで、中間も他競馬場と比較しても遅い。特に800m地点で更にゆっくりになるので、他場でテンのスピードについて行けない馬でもなんとかなってしまいそう。

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3.前後半のラップタイム差(前半-後半)

続いて、各競馬場の1200mのラップタイムと比較してみる。札幌は中京阪神よりは前傾レベルが強いが、とても強い部類ではない。1.0秒前傾くらいなのでスプリント戦としては通常だろう。

 

これらのことからコース形態として札幌芝1200mを見るとそこまでスプリントレースとしての性質は高くなく、他のコースで活躍できないタイプでも好走してしまうことが考えられる。加えて、先行馬が特に有利なコース形態であるため、スタートさえ決められれば、というイメージもつく…のだが実際そうでもなく変な差し馬が来ることもあるので血統や開催時期などでまた細かく見ていく。

 

(ここまで書いて、過去複数年のキーンランドCUHB杯でデータ取ればいいじゃんって事に気づいてExcelに打ち込んでたけど、結果が大して変わらなかったのでこのままで)

 

・血統

血統は過去のキーンランドCUHB杯の結果から見ていく。2勝クラスを勘定に入れるとどうしても3歳馬が上に来たりして判別しにくいので。

 

ディープインパクトハーツクライネオユニヴァースマンハッタンカフェ等、スプリント路線であまり見ない血統の馬が台頭していることが多い。上記にもあるが、スプリントっぽくない流れになるためにスプリント感ある血が求められないのかもしれない。サンデー系の推しはフジキセキ

そもそも北海道開催は強いスプリンターが出走せず、レベルが低いためにサンデー系が台頭しているようにも見える。

 サンデー系が台頭する分、他のスプリントレースと比べて割を食う血統がいるはずだが、恐らくミスプロ系は減っている。米国ミスプロ系はスピード命というような感じが多いが、札幌は洋芝であるため、そのスピードだけでは押し切れないのかもしれない。

こう書きながらなんとなく良さそうに見えるのはMachiavellian(マキャベリアン)アメリカで生産されたフランス調教馬で、ミスプロ系。母父くらいにいるような古い血なので探すときは頑張って。あとはファルブラヴの産駒がキーンランドC2勝なのも面白い。洋芝だからパワーのあるノーザンダンサー系とは思うけれど、Sadler's wellsではなくその全兄弟のFairy Kingの直系が走ってるとはね・・・。Sadler's wells = Fairy Kingと3/4同血のNureyevを持つ馬もそこそこいたりする。ただ日本では直系がいないので母系に持っていれば、みたいな感じ。

 

まとめ

おおよそスプリントらしくないレースが展開されることが予想される。

コース形態的にも基本は内先行有利だが、サンデー系でも勝負しやすく、米国血で一本槍のスピードでは洋芝に負ける。

データ的には絞り込めないレーズが多いように見えるが、夏の北海道のスプリント路線は特にレベルが低いように感じるので、能力比較を間違えなければ・・・というように感じる。その中で2017年のキーンランドカップの勝ち馬エポワス(父ファルブラヴ)を拾えるような考え方をしたい。

 

 

 

エポワスってチーズの王様なんですが、チーズに対する考え方はエポワスを食べる前と食べる後で変わると思ってます。秋頃に旬?を迎えるので財布に余裕のある人は是非買ってみて欲しい。エポワスはすごいぞ。